やるときゃやります!

日々のくだらん出来事から、社会保険労務士業に関することをぼちぼち書いてます。

社会保険労務士になる!って大変なのか?(後編)

え~~~~かなりお久しぶりの更新です。

親知らずを抜いてしばらく悶絶してたのを理由にサボってました(;一_一)

 

前回は試験概要を中心に”社会保険労務士になる!って大変なのか?”を説明してきましたが、後編では過去の試験結果を踏まえながら何故に合格するのが大変なのかを書いてみたいと思います。

 

では、早速ですが過去45年分の試験結果(過去10年分は厚生労働省の報道発表資料で確認済みですが、それ以前はウィキペディアからパクってきました。細かい数字が気になる方はウィキペディアでも見て下さい。)をグラフにまとめてみました。

 

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グラフの縦軸(左)は人数、縦軸(右)は%を示します。

平均合格率は破線で示してます。

色んな見方ができると思いますが、獅子丸の気付いた点をザックリ示します。

 

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まぁ、こんな感じです。

他にこれは!ってお気づきの点があれば、こっそり教えて下さい(笑)

今のところ合格率は6~8%程度の試験と考えておけばよいと思います。

っが、この合格率は試験制度の合格(評価)基準がどのようであるかによって、認識が随分と違うように思います。

ここが合格しづらい!と言われる試験の理由だと考えており、順を追って説明したいと思います。

 

まず、下記の第45回(平成25年)社会保険労務士試験の合格基準を見てください。

 

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下線部は獅子丸が追加しました。

何が言いたいかと言うと、下線部は毎年変わると言うことです。

前回に試験科目の配点を示しましたが、それに照らし合わせると得点率は次のようになります。

 

 選択式・・・満点40点中21点以上 → 21÷40×100=52.5%

 択一式・・・満点70点中46点以上 → 46÷70×100=65.7%

 

一方、他の士業とよばれる国家資格として行政書士・税理士を例に挙げ、国家試験の合格基準を紹介したいと思います。

試験制度・科目、配点などの細かいことは抜きにして、合格基準のみに着目してます。

 

行政書士試験

 法令等  ・・・満点244点中122点以上 → 122÷244×100=50.0%

 一般知識等・・・満点  56点中  24点以上 →   24÷  56×100=42.9%

 全体   ・・・満点300点中180点以上  180÷300×100=60.0%

 

税理士試験

 各科目とも満点の60パ-セント

 

何れとも難関国家資格であり、行政書士は8%程度、税理士も科目によって異なりますが10~12%程度となっているようです。

注目してもらいたいのは太字部分です。何れの試験も6割を取れば合格です。

行政書士試験は法令等・一般知識等の両方とも最低ラインが設けられていますが、何れも50%以下でよく、閾(しきい)値としてはそれほど高くないと思います。

税理士試験に至っては全5科目に合格する必要があり、全てを合格するまで大変な道のりであることは確かですが、1科目だけに着目すれば6割取れれば合格(※)です。

 

話を社会保険労務士試験に戻しますが、これには全体に対する得点率は関係ありません。つまり、合計点が6割(110点×0.6=66点)を越えてても、選択式・択一式ともに基準点を超えていないと不合格です。

違う見方をすれば、合格率が6~8%程度になるように、選択式・択一式の基準点を決定(操作)している言うことです。このような試験を相対評価と呼びます。

一方、6割得点すれば合格する行政書士・税理士試験のような試験を絶対評価と呼びます。

※税理士試験は科目別合格制度があり、1度合格すればその科目は生涯有効です。

 6割とは言うものの税理士試験について解説した幾つかのサイトを見てみると、何れの科目も毎年10~12%

 程度に落ち着いていることから、実質的には調整しているのだろうとのことです。

 

相対評価絶対評価ともに良し悪しはあると思いますが、社会保険労務士試験は相対評価である以上、満遍なく得点し、かつ、上位6~8%に入る必要があります。

選択式・択一式の合格基準は、全受験者の採点をしたのち試験委員によって決定されており、合格率が6~8%になるようかなりの調整をしているのだと思います!

満遍なく得点することは勉強さえすればそれなりに可能だと思います。ただし、上位6~8%に入るのはそれなりに大変です。

初学者ならなおさらです! 

当たり前ですが、受験生の中には複数回チャレンジしているベテラン勢も多くいます。その中で上位6~8%に入るとなると、前年度を含めて十分な学習を積んでいるベテラン勢より同等もしくはそれ以上の得点率が必要になってきます。

当然ながらベテラン勢の中でも熾烈な競争はあると思います。

このように、ただ得点すればよいだけではない競争試験(相対評価)であることが、合格しづらい!と言われる理由の一つです。

念のため言っておきますが、行政書士や税理士が合格しやすいわけではないので、そこんとこを良い子はヘンな勘違いをしないように!

 

っと言うことで、まとめにしたいところですが、もう一つ理由があります!

我慢して、もう少しお付き合いされたしm(__)m

 

では、改めて第45回(平成25年)社会保険労務士試験の合格基準を示します。

 

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違いにお気づきでしょうか?

はい!そのとおり!!下線部の位置を変えています。

選択式・択一式ともに総得点も大事ですが、科目ごとに最低点が設けられています。選択式は3点、択一式は4点であり、これは例年変わりません。

ただし、選択式は( )書きの下線部の通り、科目によっては3点取れてなくても良いと言うことです。これを一般的に救済措置と呼んでます。

 

平成25年試験では下記のようになりました。

 

 2点以上・・・労働者災害補償保険法雇用保険法・健康保険法(3科目)

 1点以上・・・社会保険に関する一般常識(1科目)

 

前編で試験科目を示しましたが、選択式は全8科目です。そのうちの4科目で救済措置が設けられたと言うことです。

 

これってどういうことか分かりますか?

つまり、平均点が3点にも満たないくらい難解な問題が、全8科目中4科目(半分)も出題されたと言うことです!

試験委員の悪意を感じますね~♪

社会保険に関する一般常識に至っては1点ですよ!1点!!

これではもう、勉強もへったくれも関係あらへんがな!と、憤る受験生の気持ちが分からなくもないです。

 

ただ、前編でどのような法律を勉強するかを書いた際に、"ニュースや新聞などで、労働環境や社会情勢などを意識的にチェックする癖をつけておかないと、得点しづらい科目"と補足したように、幅ひろ~~~~~~~く勉強さえすればどうにかなるんだとも思います。

っが、しか~~~~し!

他の科目一つ一つだけでも相当膨大な範囲・量を勉強しなければなりません。

一般常識を問われる2科目は学習範囲が絞りづらいので、この2科目は受験生にとって本当に泣きどころです・・・(T_T)

 

個人的には、一般常識を問う2科目以外で6割(満点5点中3点)を取るのは、それほど難しくないのでは?!と思っています。理由は、択一式対策の勉強をしていれば、それなりにどうにかなるからです。

その反面、一般常識を問う2科目はどんな勉強方法が正しいのか正直分かりません。

恐らく多くの受験生も悩みどころであり、”運の要素が強い試験”と愚痴るのも分かります(苦笑)

 

救済措置がない年が珍しいくらいで、ほぼ例年、何科目かは救済措置が入ります。

平成25年試験では4科目もあったことを考えると、ワザと難解な問題を出して救済措置の検討が必要な科目を多くすることで、全体的な調整代を作りだそうとしてるんでは!?と考えてしまいます。

平成25年試験に限らずそれ以前の試験年度においても救済措置を一切取らないとなると、合格率はどこまで下がるのか見当がつきません。

試験委員の方々は知っているんでしょうが、恐くて言えないでしょうね!

受験生から相当な反発を喰らうでしょうから!!

 

っと言うことで、もう一つの理由をまとめると、選択式は総得点よりも科目別最低点をクリアできるかどうかがカギとなる。と言うことです。

 

 

以上、ながなが~~~~と書いてきましたが、これにて最終まとめと言うことで、

相対評価の競争試験である以上、ひたすら上位6~8%を目指す必要がある。

②選択式で科目別最低点を全てクリアするのは、至難の業である。

と言うことです。 

1回で合格できる確率はかなり低い試験だと思います。合格後に知り合った知人に聞いてても、2・3回は当たり前でなかには5回以上の人もいました。

また、救済措置に頼らない、キズなしの完全合格者も少ないのが実情です。

ちなみに、獅子丸の受験回数とキズの有無はご想像にお任せしますヽ(^o^)丿

 

これにて、前編・後編を通した"社会保険労務士になる!って大変なのか?"はお終いです。"社会保険労務士って何ぞや?(前編後編”と合わせてお読みいただくことで、社会保険労務士に対する理解度が深まればこれ幸い!でございます。

 

いや~~~~~~~書くの疲れた・・・(;一_一)

今後はさぼり癖がつかないように、ちょっとづず更新するようにしまっす!